作品解説

〈序文〉
青と茶の日の丸構図
ラシーヌの戯曲集を読み耽る人物画を描きました
ラシーヌは古典の名手であり序文は演劇の基礎教材となっています
絵画制作においても
内容は深く 大きな柱で構成する という基本があります
奇抜であれば評価しようという風潮が2024年の美術界隈で出てきました
基本に忠実でありたいという想いを画中の人物に託しました

〈恩讐の彼方に〉
ピンクと緑の中空構図
2022年 安倍元内閣総理大臣が宗教の因縁から射殺される事件がありました
これを受け 信仰が命を踏んではならない 平和の為に何が出来るだろう と考えて描いたものです

第2次世界大戦岡山空襲の際 米軍のB29が山に墜落した事があります 岡山の人はばらばらとなっていた遺体を集め敵国のならわしで十字架をたてて弔いました
その後向かい合う位置にポストがたてられました
墓の周囲の草取りに関しては現在でも地域の方が続けられています
この地を取材し 土を描くことで地域の方の心持に少しでも触れることが出来たならば私の希望するところです

〈蠕動〉
母方の祖父の弔いに描きました
神話のモイラに着想を得て 紡ぎ測り切られる命を思い描きました

〈晩夏のすまい〉
青と茶の日の丸構図
幼馴染の弔いに描きました
彼との想い出のある品をモデルに宛てました
蒸すような画面内に打ち水のように青を入れて 鎮魂のすまいとしました

〈ある手紙〉
青と暖色の対角線構図
運命と感じる出会いがありました
画題にした通り導いてくれたその方に深く感謝しています
心の最も揺れ動く時期というのは見るもの全て鮮やかに暖かく感じられるように思います

〈真珠の耳飾りをつける少女〉
ワインレッドと青と茶の繰り返し
初めて知り合いにモデルを頼み描いた絵です
高校卒業後 画家の道に進んだものの 初めての事ばかりで余裕はありませんでした
その生活の中でも自分なりに人生の輝きを残したいと思い 人物像に託し 描きました
白日会岡山支部展では 師の計らいと思いますが巨匠陣の壁の真中に掛けて戴きました
感謝を常に抱き いつか同じように誰かの背中を後押ししたいものです

〈ミモザの頃に〉
寒色にレモン色の黄金比構図
光差す室内 その中に人 という光景に神秘的な美しさを感じた経験は誰しもあると思います
そうした記憶は場所も時間も鮮明に脳裏に焼き付いているものです
アトリエで光を再現しようと試行錯誤しました
画面構成上 後付けが必要となり 窓からミモザが見える設定に変えました ミモザは2月頃が見頃で 描いた時期からは少し早かった為探し回ったのを覚えています
截然して良いという喫茶店にご協力を戴きました
画題は絵の完成間近に師につけて戴きました

〈静物1〉
正方形の繰り返し構図
師のアトリエにて 絵になる所を探して描きなさいとのことで描いた絵です
色々な計らいがあったと推察されます
特に画面構成のご教示があったことと思います
搬入のトラックが来るまで描いていると 背後で先輩のKさんが絵をじっと観てくれていたのは良い思い出です

〈印象〉
赤とグレーの左余白構図
兄を描いた絵です
師が 画家になるべきだとと言ってくださったのは一生忘れません

〈万霊の記し〉
茶に赤紫の日の丸構図
ロシア正教では祖先にも敬意を込めて敬称に〜家のとつけます
この考え方に共感するとともに 何億何万の霊魂も確かに存在した命であり その人生ひとつひとつは…
この霊魂の重さに耐えられない存在となってはいけないように感じ 絵筆をとりました
布地のコラージュは天界と冥界へ昇り堕ちる霊魂を表しています
手元の本から万霊を想い耽る人物像を中心に配し想いを託しました

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